無料で使える予約システムの条件を並べた——「無料の終わり方」で選ぶ

予約システムの比較記事はどれも「無料プランあり」と書いて終わっています。しかし実際に使い始めると、月の予約が50件を超えた、予約ページが2つ作れない、データが3か月で消える、予約ページに広告が出る——といった形で無料の壁にぶつかります。この記事は「無料でできること」ではなく「無料の終わり方」を並べたものです。

数字はすべて2026年8月16日に各社の公式ページで確認しました。当サイトはSTORES 予約を実際に無料登録して予約ページの公開直前まで操作しています。他社は公式の条件を読み取ったもので、操作性の評価は含みません。

無料の道を進んできた店主が、予約が積み上がるゲートの前で立ち止まっているイラスト
無料はいつか終わる。どこで終わるかがサービスごとに違う
目次

まず結論:無料プランは3つのタイプに分かれる

  • 件数で止まるタイプ(STORES 予約・RESERVA):月の予約件数に上限がある。上限を超えると有料プランへ
  • 期間・表示で削られるタイプ(SelectType・タダリザーブ):件数は緩いが、予約を受け付けられる期間が短い、広告が出る、データの保存期間が短いなどの制限がある
  • 手数料で回収するタイプ(freee予約):月額は0円だが、事前決済を使うと料率が高め。決済しない店にはずっと無料

自分の店がどこで詰まるかは、月の予約件数と、事前決済を使うかどうかでほぼ決まります。以下、条件を一つずつ並べます。

無料プランの条件一覧(2026年8月16日確認)

サービス月額無料で受けられる予約主な制限事前決済
STORES 予約 フリー0円月50件予約ページ2つまで5.5%(中小特別料率で5.2%〜)
RESERVA フリー0円月50件登録顧客250件まで4.9%
freee予約0円公式に件数の記載なし入金はサービス提供後・最低1万円6.0%+振込手数料
SelectType フリー0円件数の上限記載なし広告表示あり・予約受付は7日先まで・カレンダー10・顧客100件カード4.9%(有料プラン記載)
タダリザーブ フリー0円件数の上限記載なしデータ保存期間3か月オンライン決済あり

各社公式ページの記載にもとづく。空欄・記載なしの項目は「無制限」の意味ではなく、公式ページに明示がないことを示します。

見落としやすい制限①:月50件は思ったより早く来る

STORESとRESERVAはどちらも無料で月50件までです。50件と聞くと余裕がありそうですが、営業日を月22日として1日2.3件で到達します。1件60〜90分のサロンや整体院なら、午前と午後に1件ずつ入れば普通に超える数字です。

ここで大事なのは、超えたときの行き先の値段が全く違うことです。STORESの次のプランはスモールで月9,790円(月200件・予約ページ10)、RESERVAはブルーが年払いで月3,850円(月払い5,500円)。同じ「無料50件」でも、卒業したあとの負担は倍以上変わります。開業から半年後に月80件まで伸びる見込みがあるなら、その時点の月額まで見て選ぶべきです。

なお、STORESの有料プランには「月間予約件数を超える場合、50件ごとに1,078円で追加できる」という救済があります(フリープランではなく有料プラン向けの扱いです)。繁忙期だけ件数が跳ねる業種は、この追加のしくみがあるかどうかも見ておくと安心です。

見落としやすい制限②:予約ページの数と、受け付けられる「先の日付」

STORESのフリープランは予約ページを2つまで公開できます。1つの店で1ページなら十分ですが、「通常メニュー用」「体験レッスン用」「イベント用」と分けたい場合は2つで足りなくなります。ページを分けるかメニューで分けるかは、無料のまま運用するなら最初に決めておいたほうがよい設計です。

もっと影響が大きいのがSelectTypeのフリープランで、予約を受け付けられるのは7日先までという制限があります(有料のベーシックで30日、プロフェッショナルで90日、プレミアムで366日)。翌月の予約を今から取りたい教室やレッスン業では、無料のままでは業務が回りません。逆に「直近1週間の空き枠だけ埋めたい」という使い方なら、この制限は実質無害です。制限の重さは業種によって全く違う、という典型例です。

見落としやすい制限③:広告表示とデータの保存期間

SelectTypeのフリープランには広告表示があります。お客さんが見る予約ページに他社の広告が出るということなので、価格帯の高いサロンやクリニックでは印象面で不利になります。広告を消すだけなら月1,650円のベーシックで済みます。

タダリザーブのフリープランは、機能面はかなり広く(メール配信・顧客管理・オンライン決済・キャンセル待ち・売上分析・クーポン・スタッフ管理まで無料)、そのかわりデータ保存期間が3か月と明記されています。顧客台帳として過去の来店履歴を積み上げたい店には向きません。「予約の受付だけできればよく、履歴は自分の手元で管理する」という店なら、無料の範囲はかなり強力です。

見落としやすい制限④:無料でも決済すると手数料がかかる

月額0円という表示に安心していると、事前決済を入れた瞬間に売上の5〜6%が消えます。月20万円をカード決済で受けるなら、STORES(5.5%)で11,000円、RESERVA(4.9%)で9,800円、freee予約(6.0%+振込手数料)で12,000円強。月額無料のプランでも、決済を使う店の実質コストは有料プラン並みになります。

逆に言えば、当日現地で現金や自前のキャッシュレス決済で受け取る店なら、手数料は0円です。無料で予約システムを使いたい人ほど、「決済まで任せるか、予約だけ任せるか」を先に決めるべきです。詳しい計算は決済手数料の記事に計算機を置いています。

タイプ別:この条件ならこれを試す

あなたの店の条件無料のまま回るか候補
月30件以下・当日現地決済回るSTORES 予約/RESERVA どちらでも
月80件・当日現地決済回らない月額の安いRESERVAブルー(月3,850円〜)が有利
月30件・事前決済で前受けしたい月額は0円・手数料は発生STORES 予約(決済時点で売上が立つ)
直近1週間の空き枠だけ埋めたい回るSelectType フリー(7日制限が効かない)
翌月・翌々月の予約を取りたいSelectTypeは不可STORES 予約/RESERVA
履歴を長期で貯めたいタダリザーブは不可(3か月)STORES 予約/RESERVA

無料で始めるときに、最初にやっておくこと

実際に無料で登録してみて、先にやっておくと後が楽だと感じた作業です。

  1. 今の月間予約件数を数える。ここが50件に近いなら、無料プランの検討ではなく有料プランの比較から入るべきです
  2. 予約ページを1つで足りる設計にする。メニューで分けられるものはページを分けない。無料枠の使い方が変わります
  3. 顧客データの持ち出し方を確認する。乗り換えるときに困るのは台帳です。CSVで書き出せるかを、貯める前に確かめておくこと
  4. 公開前に事業者情報の表示を用意する。事前決済を使う場合は特定商取引法に基づく表記の設定が要ります。自宅兼事務所の人はここで一度立ち止まります

よく誤解されている点を先に潰しておく

無料プランはいつか強制的に有料になりますか

今回調べた5サービスの公式ページに、期限で自動的に有料へ切り替わるという記載はありませんでした。ただし「一定の件数を超えたら有料プランが必要」という形の上限は複数あります。時間ではなく使用量で終わると考えてください。

無料プランでも予約者にお金は請求できますか

できます。ただし事前決済の手数料は無料プランでも発生します(STORESの場合5.5%、中小特別料率の申請が通れば5.2%〜)。当日現地でお金を受け取る運用なら手数料はかかりません。

上限を超えたら予約が止まりますか

各社の公式ページには、上限を超えた場合の具体的な挙動(受付停止になるのか、案内が出るのか)までは書かれていませんでした。当サイトはまだ50件に到達していないため、この点は実測できていません。実際に到達した時点で追記します。

この記事の情報源

確認日はいずれも2026年8月16日。STORES 予約 公式(料金プラン)/RESERVA 料金プラン/freeeヘルプセンター(かんたんネット決済の売上)/SelectType ご利用料金/タダリザーブ 料金

料金や条件は変わります。当サイトでは確認日を記載し、変更を見つけた時点で記事を更新しています。選び方の全体像は予約システムの選び方にまとめました。

まとめ

無料プランを比べるときに見るべきは、機能の数ではなくどこで無料が終わるかです。件数で終わるのか(STORES・RESERVA=月50件)、期間や表示で削られるのか(SelectType=7日先まで・広告、タダリザーブ=保存3か月)、手数料で回収されるのか(freee予約=6.0%+振込手数料)。自分の店の月間件数と決済の有無を先に決めれば、候補は1つか2つに絞れます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次